S&P社が想定する最悪の事態とは、(1)29%以上の賃料収入の減少、(2)11%以上の空室率の上昇、(3)15%以上の経費支出の上昇、のことで、例えこのような事態に陥っても定時にキャッシュフローが確保され、物件の価値が維持され、元利払いが滞らないことが要求されます。日本の不動産投資においても参考になる基準なので覚えておきたいところです。不動産投資商品の格付けは、確かにREITやMBS、それに大がかりなCMBSに付補されているようですが、社債や地方債の格付けと比べて、決して理解しやすいものではありません。
[参考]
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例えばムーディーズ社のREITの格付けでは、最上級の格付けでもA(シングルA)止まりで、反対に投資不適格とされるBa(ダブルB)以下の格付けも多く見られます。これでは社債や預金格付けと同じレベルで比較するのは難しいといわざるをえません。このあたりが不動産格付けの大きな問題点でしょう。不動産投資商品に格付けを普及させる動きは、確かに投資銀行を中心にして広がっています。しかし、格付けに要する時間がかかりすぎたり、格付けコストが高すぎたり、統一的な価値判断基準作りに格付け機関自身が対応しきれていない等々の大きな障害も残ったままです。いずれ日本の不動産投資商品にも格付け導入の気運が高まるでしょうから、いまからその利点と問題点をよく把握しておきたいところです。